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1.)はじめに
現在主流の無線LANシステムはIEEE802.11b標準に基づくものであり、その伝送速度は最大
11Mbpsとなっている。しかし、通常の無線LANシステムを使用した場合、LANプロトコルオーバ
ヘッドのためにスループットは5〜6Mbpsに低下し、しかも下位プロトコルレイヤで再送制御されるた
めにスループットの下限を保証することができない。そのため、リアルタイムの動画像通信には
適用が困難であった。
この問題を解決するため、2.4GHz無線LAN用PHY(物理層インタフェース)を用いながらデータ伝送 速度を保証することのできる伝送方式を開発し、MPEG2高画質動画像をリアルタイムで伝送する ことのできる無線動画像伝送システムを実現した。 2.)伝送方式の概要
本システムでは複数の独立した画像を伝送することが出来るようにするため、スロット割当てTDMA
方式を採用した。具体的には次のように動作する。
@ マスタとなる受信端末は一定周期でビーコン信号を送出する。 A ビーコンインターバルを等間隔に8つの時間スロットに分割し、あらかじめ(システム構築時に) 各送信端末にスロットを割当てておく。 B 各送信端末は自身に割当てられたスロットにデータを送信する。 ビーコン信号はヘッダ部、制御部、音声データ部で構成され、送信端末から送信するデータはヘッダ部、 制御部、音声データ部、画像データ部から構成されており、
【図1】にデータ送信のタイミングを示す。
画像データ部は全スロットを使用した場合、約8Mbpsの帯域を有しており、8Mbps×カメラ1台〜1Mbps×カメラ8台までシステムの要求に応じて柔軟な構成を可能としている。
なお、4Mbps以上の場合は30Fpsとし、2Mbpsの場合15Fps、1Mbpsの場合7.5Fpsとフレームレートを下げて対応することによって、静止画質(1コマの画像品質)を確保している。 3.)エラー訂正
本システムは動画像のリアルタイム通信を目的としているため、再送によるエラー訂正方式は不適切である。そのためリードソロモンによるフォワードエラー訂正方式を採用し、無線品質が劣化した場合もエラーの無い高画質の動画像伝送を維持できるようにしている。
なお、フェージング等によるバーストエラー発生を考慮して、送信スロット内でブロックインタリーブを施している。 4.)まとめ
動画像リアルタイム通信に適した伝送方式を開発し、2.4GHz無線LANモジュールを用いて、8Mbps×カメラ1台〜1Mbps×カメラ8台のMPEG−2動画像を伝送できるシステムを構築した。
さらにフォワードエラー訂正方式の採用により、通常の使用環境においてはテレビ画像に遜色の無い高画質動画像がほぼエラーなく伝送できることが確認された。 |
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