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DIARY

ごきぶり日記338

モラルは消えてゆく


「優先席」この席はお年寄り、妊婦、怪我した人など、いわゆる社会的弱者を いたわり、助けるために設けられていることは誰でも知っている。

恐らく知っているのだろうと思う。ところがこの席の窓に張り付けられている 注意書きなどは誰も注意を払おうともしない。
特に若者などは、字が読めないのではあるまいか、と首を傾げることが多いほど である。

男女に関わらず身障者とも思えない若者が、でんと鎮座している。
年輩の人がそばにいても譲る気配も見せない。今や社会的モラルというものは 消滅したのではないかと思うことが多い。
ある一流企業の事業所のある駅の近辺に差し掛かった。

最近の若者は体格もよく、何かとかさばる。駅につくと数人がどっとなだれ込ん で来た。見ると優先席のわずかな隙間に強引に割り込み座っている。
ダークスーツに身を固め、ネクタイをきちっと締めているところを見ると、 やはり若手の大企業マンである。そこまでは何とか我慢して見ていたが、一駅 過ぎた前掲の大企業の駅に着くとさっさとおりていった。

たった一駅のために、誇り高き大企業の正社員が優先席に割り込んで座るとは!
・・いまやこんなことを言う方が時代錯誤だと言われてしまうのかも知れない。
その昔、名だたる大企業は社員教育に注力し、組織の中では先輩が背中で後輩を 指導して来た。

だが、バブルはそんなことを考える余地の無いほどに仕事の浪に押しまくられ、 仕事を仕分けて片づけることに追われていた。
そんな状態が数十年続けば、ドタバタが当たり前の仕事になり、部下を育てるとか、 見事なマネージメントが出来なくなるのは当たり前のことになる。

どこの会社も相変わらずピラミッド形の組織はあるらしいが、誰が責任を持って マネージしているのか、体を張って全員を引っ張っているのか判らないところが 多くなった。

優先席ではないが、朝の駅の光景で、もう一つ異様なのは階段である。
最近はバリアフリーでエスカレーターが増えて来た。ところが若者がこのエスカ レーターに競って殺到する。階段は健康作りに最適で、「階段を見たら昇れ」と いわれていたが、これでは若年糖尿病予備軍がますます増えてしまうのではない かと余計な心配をする。若者が疲れ、楽を求める。
誰かが心配しなければなるまい。

 

 

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