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DIARY

ごきぶり日記325

言葉の乱れ


ごらんになった方も多いと思いますが、朝日新聞 6月20日 朝刊一面に文化庁の 国語調査の記事が載っていましたね。
「役不足」「確信犯」「流れに棹さす」「閑話休題」などが記事として取り上げ られていましたが、いずれも正解率は10〜20%台で、多くの人が反対の意味に 取っていたという記事でした。
「他山の石」など、こうした例を挙げればキリがないかも知れません。

結果として8割が「言葉の乱れ感じる」というアンケートを引き出しています。 だが、これが「言葉が乱れている」とだけで片づけられることでしょうかねぇ。
この調査は面接形式というから、もっと多くのサンプルがあったと思いますが、 全部の結果を知ったら考え込んでしまうかも知れませんよ。

「閑話休題」は43.8%が判らないと答えているようです。“それはさておき・・” というのが常識だと思っていたのですが。
どうも覚えにくい時は英語の方が確かかも知れません。つまり「not change the subject・・」とか「putting aside the story・・」という具合に。(あって いるのかな?)

なるほど、と感心したのが「さ入れ言葉」で、こんな呼び方があるということを 始めて知りました。つまり「明日は休ま(さ)せて頂きます」で、これは敬語に 敬語を重ねたつもりなのでしょう。
この記事で「から」「のほう」言葉が「マニュアル言葉」ということを、これも また始めて知りました。

そういえばこの記事にあるように、スーパーやコンビニで「千円からお預かりし ます」とか「お会計のほう1万円になります」というのが定形化しているようです。
こうした業界はアルバイトに若者を採用するから、応対のマニュアルがあるので しょうね。そうするとマニュアルを作った人間が「変な敬語」を創作したことに なります。

その昔、サンフランシスコに日本の大手旅行代理店の支店があり、そこの女性担当 者(話せば永いことながら、少女の頃に失恋して単身、アメリカに渡ったと話す) が日本語を忘れてしまい、日本企業に入ったことで、厳しく敬語を仕込まれたと 言っていましたが、まさに怪しげな敬語を使っていたのを思い出します。

「流れに棹さす」という言葉から、夏目漱石の「草枕」の、
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の  世は住みにくい」という有名な冒頭の一節を思い浮かべることでしょう。
船頭は川底に棹を立てて、流れに沿って船を押す、のですから、情に棹させば人情 に溺れて流されるということで、流れに逆らって棹を差すことはしないでしょうね。

さて、この日本語の乱れ、というか崩壊はどうなるのでしょうか。
70%に近い人が意味を取り違えているようなら、将来はこの間違った反対の意味が まかり通って辞書に載るかも知れませんよ。
言葉だけが残って、意味不明でまかり通る時代が来そうです。

その昔、「換骨奪胎で頑張ろう」とやった一流企業のトップがいましたっけ。 「閑話休題で、暇な話でもして一息入れよう」とやるかも知れませんよ。

 

 

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