ごきぶり日記288
ツアー嫌い
旅行業界も厳しいことは判る。街角の小さな支店になると隣り合って、あるいは
向かい合って商売している。
最近では有力な2社は相乗りしているようで、どちらで頼んでも同じという触れ
込みである。だが、どっちも歴史と見識があり、お客から見るとそれでなくとも
大企業病で厄介な企業を重ね合わせたようなもので、諸事万端なんともイライラ
させられる。
窓口の女性はどう教育されているのか、どこまでも「あちらで受けたものはあちら
経由でなければお答え出来ません」の一点張り。お客本位のサービスなどどこ吹く
風である。
テロで海外旅行が激減して大変なのかと思いきや、ちょっとした人気コースは結構
繁盛している。“人の噂も七十五日”で、World Trade 1,2 の事件(同時テロ)
もそろそろ風化仕掛かっているのかも知れない。人気の欧州ツアーなども満席ら
しい。航空会社と旅行代理店のせめぎ合いも大変らしい。飛行機の都合がつかない
(航空会社と代理店の折り合いがつかない)ということで、出発の2〜3日前に
なっても便が決まらないというケースもある。
こんな話を聞いているうちに、10数年前にアメリカ各地の空港ロビーで見ていた
光景を想い出した。旅客機が離陸のスタートポイントがら、まるでラッシュ時の
車の行列のように延々と並んで出発待ちをしている。そのうち管制塔から指示が
出たのだろう、先頭がエンジンを満開にして轟音と共に飛び立つ。
すると全体の列が出発点までそろそろと移動する。混雑し過ぎればどんどんフラ
イトを間引きしてしまう。勿論今でもめずらしい光景ではないのだが、飛行機が
車と同じ感覚になっていることを実感したものだった。
だからツアーも“駄目ならやめた”式の行き当たりバッタリ方式でなければ採算
が取れないということである。
ツアーも厳しいビジネスだから、「集めて、運んで、儲けて、生き残る」ことが
至上命令であることはよくわかる。競争とは恐ろしいものだ。虎の子のお客にまで
不便さを分かち与える。目をつり上げて儲けようとすれば、末端の社員の目や態度
まで、そのように変わるからである。
それにしても安い。いや、安くなったものである。企画を立て、かき集められる
だけ掻き集めて航空会社と掛け合って競争する。競争とは凄まじいものだ。
あれもこれもという企画を立てて、朝は明け方から夜遅くまで飛び回らせるので
有名な旅行会社もある。
でも何でそんな思いをしてまで飛び回らなければならないのだろうか。
早朝何時までに起きろ、荷物を纏めろ、食事は何時までに終わらせろ、旗の下を
離れるな、此処で写真を撮れ、バスに乗れ、降りろ。
恐らく何処で何の写真を撮らされているのか判らない人も居るかも知れない。
それも地球の裏側なのだから、宇宙旅行よろしく「此処に降り立った」ことに
意味があるのかも知れない。
クタクタに疲れて帰って来て、本当に良かった、素晴らしかったと思うのだろう
か。こんなことを書くと異論が出るに違いない。でも、私はツアーが嫌いである。
やっぱり気ままな旅が一番良い。
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