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DIARY

ごきぶり日記285

悩める都市、ローマ


世界の古代遺跡、遺産が集約されていると言われるローマ。
日本本土と同じ規模の面積に人口は日本の半分以下。
欧州は何度と無く訪れているものの、不思議にイタリアは始めてである。
南イタリアなど、地方の景観は素晴らしいのかも知れない。だが、首都ローマは “何ともはや!”というほどに都市の病根をさらけ出している。

勿論、ローマオリンピックを契機としてローマを中心に高速道路も整備され、 政策的にローマ郊外への工業化が進められてきたらしい。然しながら道路という 道路の両側は無法駐車場化(彼らは無法とは思っていないし、取り締まりもやら ない)している。駐車している車の間隔は殆ど空間が無い。恐らくアメリカの マンハッタンでよく見掛けるように、先ず強引にバックして後部車輌をドスン、 ズルズルと押しのけ、その後にやおらハンドルを切って出て行くというあの手 だろうと思われる。

だから空間があれば何処へでも停める。車を放置して何処かへ行ってしまう。 二重、三重駐車などお構いなしである。こう書くとまさに無警察状態のようだが、 これが民意を問うた結果だと聞いた。例えば立体駐車場をあちこちに作ろうと 考えて民意を問う。すると「都市の美観を損なうから反対!」という声が挙がる。 それならば今のままにしようという結論らしい。

だから誰も違法駐車だなどと思ってはいないということになる。端から見ると今の 方がよほど美感上問題と思うのだが、それもローマ市民の問題だからなんとも 言いようがないのである。もっとも法律上壊したり立て直したり簡単に出来ない ようになっているから、日本のように簡単にはゆかないし、それに掘れば必ず遺跡 にぶち当たるので効率が極めて悪いということもある。

言われて気がついたが、ローマ市内には歩行者用の横断信号が殆ど無い。完全な 人間優先である。これがアメリカのマイアミ半島だと信号があっても車が猛烈な スピードで走り過ぎる。現地人が“はね飛ばされないように!”と注意してくれる。
高速道路は例外だが、一般道は石畳(10センチ立方ほどの石を人間が敷き詰める) だから車線が無い。通れれば片側何車線でも良いという感じで平行して走る。 車線が無いから車線変更も無いわけで、空いている車の前や後ろにするりするり ともぐり込みながら最短コースを走る。大型車の前でも平気で曲芸のようにすり 抜ける。ここには譲り合いも遠慮も無い。気迫と攻撃精神で相手が引くのを 狙って走る。

これがナポリに行くとなおさら酷い。大通りは片側4〜5車線くらいの石畳道路 を挟んで真ん中に電車の軌道が往復している。だが、ここも殆どが車の通路に なっている。電車が来たらどうするのだろうと余計な心配をすることになる。
車好きの友人が“う〜ん、これは運転出来ない”と目を白黒である。
帰宅時間のラッシュは車とバイクで道路が身動き出来なくなる。だから当然のよう に接触事故が起こる。不規則な車の渋滞の中を救急車が強引に割り込んで進む。

ヒッピーが織りなす小犯罪、つまりひったくり、スリ、詐欺などは以前にも増して 酷くなっているという。これはイタリアに限らず欧州全域の問題らしい。
多くの観光客はここへ来て始めて日本の良さを実感するらしい。

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