ごきぶり日記281
咲き誇る桜が・・
書斎のまどの向こうに爛漫と咲き誇る多摩川沿いの桜がまぶしいばかりです。
毎年この時期になると、この全力を挙げて咲いている短い命を、どうとどめるか
と、誰しも想うことでしょう。
花に誘われてふらりと多摩川べりに出て見ると、その下は恒例の宴会場で、バー
ベキューや酒の臭いが立ちこめる俗世界に巻き込まれます。
“日本人と桜と宴会”は理屈なんか抜きで日本人の本性なのでしょうね。
小さな公園の駐車場を埋め尽くすような車の洪水の中に、大きな黒塗りの街宣車が
目立つ姿で何台か停まっています。
街頭宣伝をぶつわけではなさそうなので、“ご一緒にお花見を”というところ
なのでしょう。
それにしても異常なばかりの桜の早咲きは、天変地異を予感させるように不気味
です。例年に比べて心なしか花がまばらで、色があせているように見えるのは
そんな気持ちで眺めるせいなのでしょうか。
ここ数日、手のひらを返すように冷たい空が続いています。少し早く咲きすぎた
ので長持ちさせてやろうという天の配慮でしょうか。それで桜が戸惑いして、
冴えない色を示すのかな?とも思います。
桜は、前年の夏頃に翌春咲く花の元となる花芽を形成して休眠に入るそうです。
花の芽が休眠から覚めるのを “休眠打破”というそうですが、何だかさくらに
似つかわしくない過激な言葉ですね。
それとも温度の上昇とともに、急激に殻を破り、惜しげもなくパッと散るところが
他の花よりも過激なのでしょうか。
湯殿山の麓を通って六十里越え街道という難所を経て、鶴岡市に至る国道112号線
があります。今では山形自動車道(東北自動車道、村田から分岐)が近くまで伸び
ているものの、例年は除雪車が作る10数メートルの切り立った雪の壁と激しい吹雪
に見舞われているシーズンですが、先日通ったところ、これが何分の一かの積雪
量で雨が降っていましたっけ。こんなところにも天変地異を感じます。
人々が早い春を喜ぶとともに、異常気象に漠然とした不安を感じていると報じて
います。増えすぎた人間、産業の地球破壊、利益の極限までの追求が自然を
破壊すれば、自然は人類を淘汰するのでしょう。
多摩川沿いに延々と新しく植えられた若桜が、豊満な花を見事に咲かせられるの
だろうかと気になります。
|