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DIARY

ごきぶり日記274

人材の弱体化


先日、あるコラムにこんな話があったのを想い出しました。
“不景気の元締め”のように言われている日本の問題は「人材の弱体化」が原因 だという趣旨です。

偏差値一辺倒の世の中で生かされてきた子どもたちは争うことを知らず、相手を 傷つけないように、相手からはぐれないように生きようとする。だからチャレンジ しない、人の先頭に立たない、ということになり、これがそのまま社会人になれば 決断力、指導力、問題解決能力、個性、積極性が劣る。

この点が海外に比べて遅れているのが競争力を無くした原因だという趣旨でした。
改めて新発見のように書き立てるまでもなく、こうした傾向は一流企業にもあって 誰が企画しているのか、リーダーシップを取っているのか全く判らない事象が蔓延 していることは確かです。
でもこれは一部企業の問題ではなく、教育という社会基盤に関わることですから、 これがすべて駄目なら日本は沈没する以外に道は無いということになってしまい ますね。

戦火の中を生き延びて来た昭和一桁の一番の若手ですら既に70歳に近づきます。
団塊の世代と言われた中でも、最も多いのが昭和25年前後の生まれ、つまり現役 最高の年齢であり、今のビジネスを引っ張っている立場ですね。
だが、彼らも同じく偏差値教育の落とし子でしょう。

一挙に景気が悪くなった一番の原因はバブル崩壊には違いありません。でもバブル が剥げ落ちてみると上に挙げた五つの能力が求められ、考えて見ると何も持って いなかったとなっているわけです。
「いや、そんなことはない!」と言い切れるリーダーは幸せです。もし気がついて いないなら恐ろしい話です。

学徒で出陣した人たちが復員して職場復帰した頃の企業社会は、まさに群雄割拠で リーダーと個性には事欠かない時代でした。当然あっちこっちでいがみ合いも 起こり、ファイルをぶつけられた、灰皿が飛んできたという話が逸話として数多く 残っています。
そこには生きるための競合があり、全く意見も育ちも違う人種を 受け入れて切磋琢磨する開拓精神に満ちていました。家族関係が複雑だと子どもが よく育つと言いますが、まさにこうして揉まれて育つのが企業社会だったので しょうね。

ところがどうでしょう。成長軌道に乗るに従って企業風土は単純化して行きました。 特定の人間が幅を利かせ、意に染まぬ人間を排除する。つまり小姑が居なくなり ました。経営者はやりやすくなり、ワンマン化し、そして独裁者になっていきます。
社員は横を気にして昇進にあくせくする。まさに偏差値社会ですから国際競争力 以前の組織になるのは当たり前ですねぇ。

今年度の決算で業績が悪いのは景気のせいでしょうか。
リバイバル政策などを掲げ ているところもありますが、これなど「夢よもう一度政策」とでもいうのでしょう か、また神風が吹いて前のような景気が戻って来るとでも思っているのかも知れま せんよ。
旧い体質の企業はどんどん市場から退出願わないとそれこそ共倒れかも 知れません。

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