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DIARY

ごきぶり日記273

不況から抜けられないわけ


何ともひどい世の中になったものですね。

“ニッチもサッチゆかない”とはこんな状態を指すのでしょう。貸し手はバブル の成長神話に乗って滅茶苦茶に貸しまくり、天文学的な数字の(庶民にはそう感じ る)焦げ付きを作って、今や貸し金回収を諦めて(債権放棄)、何とか支援を続ける か、あるいは潔く潰して整理するかの、いずれかの選択に迫られています。
どちらにしても貸し方の膨大な損失は免れず、進むも引くも地獄といった様態で すね。でもどうやら、ここに来てやっと“潰すものは潰す”と覚悟して、引き当て しているようですが。

一方、それに乗って事業を拡げまくった企業責任者。まさに儲けに血走り常軌を 外れた人間どもが膨大な有利子負債を背負い込み、その金利を払うためにあくせく しています。それはすべて“身から出た錆”と言うものだから、行き着くところに 行けば良い、と思うのですが、なかなかそうは行かないようですねぇ。
“景気の急変が読めなかったのだから仕方がない”というExcuseがまかり通って いるのがなんとも不思議なのです。

半導体の不況は先刻承知で設備競争、量産競争をやって来たのだから作り過ぎて 余って当然だと思いますが、そうでないものまで世界で負け戦になっているとは 解せません。
当初はアメリカのIT不況のあおりを喰らってと言っていましたが、最近では 日本企業の国際競争力が無くなったから景気が回復しないという言い方も出て いるようです。本当ならもう立ち上がれないということになってしまいます。

確かに大企業でも永い間に亘って旧来の大口顧客とのビジネス慣行にぶら下がって 生きて来たところは悩みが多いことでしょう。
そうしたところでは恐ろしい現象が起こっていると聞きます。一言でいえば幹部と 中堅社員間の事業遂行上のベクトルが合わないという現象のようです。

然るべき立場の幹部が経営方針を示しても、中間管理職がいうことを聞かない、 勝手に自分の解釈で自分のやりたいようにやるということを聞きました。
結果はカナメの取れた扇子のようにバラバラ。だから戦略的新製品は生まれない、 価格競争力は落ちる一方で、売れば売るほど損するという現象だそうです。
これが何を意味するのか定かではないのですが、幹部の施政方針に背骨がなく、 事業遂行の意志が弱く、言っていることは難しく理解し難い、ということのような 気がします。

だからその下はそれぞれ勝手に解釈して、良かれと思って自分流のやり方で動いて いるのかも知れませんよ。あるいは経営が出来る人材が少なくなっているのかも 知れません。

生き残るためにはもっともっとスリムにならなければならない。でもスリムに なったらコストが下がり、少数精鋭で効率が上がり、企業業績は抜群に上がるので しょうか。どうもそうではないようです。
確かに中間管理者の事業遂行能力や管理監督能力は信じられないほどに落ちて います。ある有力議員が日本人の質の低下だと公言していますよ。

賃金が日本の30分の1という中国とはコストでは勝てない、だから中国に雪崩れ 込んで行きます。そして日本の中は空っぽになる。
それでなくとも企業は膨大な過剰人員を抱えている、日本式企業教育の鋳型で作り 上げられた企業人は全くつぶしが効かない、雇用のミスマッチは企業がせっせと 作り上げて来た日本式経営の産物だと思うのです。

事業の野放図な拡大は設備や人員の過剰を生んだだけではなく、プロとして、管理 監督者として、自分を磨く場もチャンスもなく、漫然と歳を重ねてしまったことに なります。これが本当ならこの不況のトンネルを出たところに待ち受けているもの は、国際競争の負けいくさと言うことになってしまいます。

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