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DIARY

ごきぶり日記265

新人諸君への手紙【論文を書く】


恐らく君たちは、つい先頃「卒論」を書いたばかりだろうから、論文の書き方なら 知っていると言うかも知れない。だからこの文は論文書きの教科書ではない。
論文や報告書は自分の考え方を纏め、言いたいことが読む人の思考ツリーに如何に 素直に入り込み、その結果大きな説得力を得るかという、人生の重要なツールで あることは間違いない。

論文を書く際には先ず「起承転結」がしっかりしていることが必要である。
「起承転結」は漢詩の形式の一つで【絶句】という。
普通、絶句とは話している途中で、ことばにつまること、つまり「絶句する」など と使うが、本来は漢詩で、起(キ)・承(ショウ)・転(テン)・結(ケツ)の四句から なり、五言(ゴゴン)絶句と七言(シチゴン)絶句などがある。

「起」で書き起こし、「承」でそれを受け、「転」でほかのことを述べ、「結」で 全体をまとめる組立かたである。

五言絶句の例;
 ・黄河入流海  「黄河 海に入りて流れる」
 ・更上一層楼  「更に上る 一層の楼」

一般に「起」ではこの論文の要旨を概括して述べ、「承」ではこれを受けて具体論 を展開し、「転」ではその想いを拡げ、「結」で全体を通してこの論文の纏めて 結論づけるということが一般的なのではないかと思う。

こんな古いしきたりを何故守らなければならないのだろうと思うかも知れない。 確かに発想は自由である。自由な発想の広がりは無限な可能性を含んでいる。だが 自己陶酔のように流される文章や、人の思考のメカニズムに入り込めないものは、 独りよがりというもので、理解も感動も呼ばないだろう。
文章は説得力を持って人に伝わってこそ意味がある。ここでもまた、

 ・自分は何を言いたいのか。
 ・考えている筋書きはどのようなものか。
 ・どこへ向かってどのように進むのか。
 ・結論として何を得ようとしているのか。

など、おのれの意志が明快でなければこの論文は完結しない。

文章は高い所から低い所に悠々と流れる水に似ている。水は戻ったり、横に流れ たりしない。誰もが理解できる低い所に向かって自然に流れる。
言いたいことをすべて盛り込みながら、人の頭に自然に流れ込む論理が必要なの である。

論文とは言わないでも、報告書や議事録は日常的に書かなければならない。 その日の会議あるいは顧客との打合せを詳細に記録しようと双方の話をそのまま 書けば、それは議事録というよりシナリオになってしまう。
やはり、話の要点をまとめ、簡潔に結論を導くことが是非とも必要なのである。

「起承転結」は人間のけじめのようなものだから、基本として身に付けて欲しい のである。

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