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DIARY

ごきぶり日記262

ある先輩の話から


消費者物価指数はどんどん下がっている。この指数は前年比または前年同月比で 算出するらしいから、上がったり下がったりの変化が激しい時は何年頃に比べて どのくらい下がったか、あるいは上がったかという数値がないと素人には実感が 伴わない。

だが、こう下がる一方では流石にデフレが実感として迫ってくる。
普通、生鮮食品は価格の変動が激しいので、これを除いて統計を取るらしい。
物によって季節変動、需給変動などでデコボコが出るのは当然ながら、マクロに 見るとはっきり下落傾向にあることは間違いない。

日銀が思い切った金融緩和を行ってもこの傾向は留まる傾向にない。ノートパソ コンなどは前年比 33.5%、家庭用耐久財 8.3%、家賃 1.2% の下落という。
急激なデフレが国の経済に及ぼす影響は深刻だが、何もかも驚くほど安く買える ことは消費者にとっては皮肉な福音ということになる。

新入社員の初任給が20万円前後で、いつまでも上がらないで可哀相だなと思って いたのだが、ある先輩がこんな話をしてくれた。
“今の若者はその日暮らし志向(こんな言葉があるかどうかしらないし、みんな がみんなそうとも限らないと思うのだが)だから今の物価ならそんなに働かなく てよいことは確かである。

100円を切るバーガーに280円の牛丼と、びっくりするほど安いのが当たり前に なっているから、そんな物を喰っていれば殆ど金は掛からない。
20万円も貰えば大変なものだ”という。なるほど何処までも物価の下がる状態を 憂いたりしていたが、天下国家の危機を憂うのでなければ、こんな良い時代はない ということになる。

初任給が20万円に上り詰めた時から毎年、数%の物価指数が下がっているという ことは、その割合で実質賃金が上がっていることになる、という単純な理屈を 忘れていた。
そう言えば来年の春闘ではベアという言葉が消えると報じていたが、むしろマイ ナスベアという考え方も出て来るかも知れない。

ハローワークで見つかる仕事には20万円などという高給は無いと聞く。殆どが10 数万円とのこと。バブル期には給与水準が高騰した。それで生活が広がってしま い、物価が下がっても支出は下がらないということだろう。
リストラ〜転職先探しとなっても、前と同じ地位と同じ賃金を求めることも雇用の ミスマッチにつながっているのではないかと考えさせられる。

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