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DIARY

ごきぶり日記257

地獄の釜の蓋


むずかしい経済の話はさておいて、どうやら経済は不況の奈落の底に向かって滑り 台を発進してしまったようですよ。もう既に世界同時不況に入ってしまった、とか V字型回復は期待できない、とやっています。恐らくそうなのでしょうね。
さて、奈落の底というものはどうなっているのでしょうね。地獄の釜の蓋を開けて 中を覗いたこともないし、覗いたところでどうなるものでもありませんが。

もう30年くらい前になりますか「日本沈没(小松左京)」の映画を見たときに、 神が「こんなところに住んで良いとは言った覚えがない!」と怒ったように感じた ことがありました。確かに自然の許可を得て地球上に建設物を作っているわけでは ないのだから、偉大なる自然がへそを曲げてもおかしくありません。

自然以外の文明は人間という動物の生産物なのだから、永久に存続するはずがない のですが、それが自然の一部であるかの如く錯覚するところに人間の不遜が重なる のでしょうね。
大銀行、大企業は少なくとも戦後半世紀の歴史を誇り、それこそ“我ら永遠なり” でした。順風満帆な航海が続きすぎたのかも知れません。

「大恐慌突入!」としましょう。でも、大恐慌とか大不況って何なのでしょうね。 今まででも庶民は儲からないと嘆いていたわけではなく、明日をどう生きようか ということしか関心はなかったのです。
それにしてもバブルは人間を贅沢にしました。節約や倹約を忘れ切った飽食の時代 が、やがて地獄の釜の蓋が開くかも知れない、恐ろしい時代となっても変わること がないようです。

終戦直後の大混乱期は凄かったですね。“腹が減る”ということこんなに恐ろしい 惨めなことなのかということを多くの日本人が身をもって体験した時代でした。 まさに“地獄の釜の蓋が開いた”時代なのです。

ではそんな時代をどうやって生き抜いて来たのでしょう。東京人(こう呼ばれる ことでどんな辛い想いをしたことか)は鈴なりにぶら下がる買い出し列車で着物を 食料と交換して貰うことしか考えられなかったのです。
それも食料管理法の法の目をかいくぐるわけですが、そんなこと恐れる気持ちなど さらさら無かったのです。餓死に面すれば人間でなくなるのでしょう。
親を失った子供たち(といっても既に65歳近辺になりますねぇ)は喰うものも 喰わず上野の地下道で何とか生きていました。違法を潔しとせず餓死した裁判官が おられました。

そうした混乱に乗じて大儲けした俄か成金(闇屋など)が横行しましたっけ。
混乱期には必ずこうした不法利益を享受する輩が出て来ますが、今度の不況で儲け る、いわゆるヤミ屋は誰なのでしょうか。いつの時代でも苦しめられるのは真面目 なサラリーマンで、真っ先に失業し、生活にあえぐのですね。

“前者の轍”を踏むなとは先人の教えですが、今回の違いは国民の資産千数百兆円 (でしたっけ?)があるということですね。不況に突入したら貝のように財布の蓋 を閉じて、懐にしっかりと金を抱えて離さないということになり、さらに不況が 加速されるということになりますか。
持つ人が生き残り、持たざる人は滅びるという資本主義の原則がテロ思想発祥の 根元ということでしょうか・・・。

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