ITバブル崩壊す
A: ソニー、松下、NEC、富士通、と軒並み大幅減益、あるいは赤字と惨憺たる様相 らしいね。“わずか3ヶ月でこんなに市場が冷え込むとは予測出来なかった” と言っている。おかしいとは思わないかい? アメリカの景気がITバブルによって支えられていること、このバブルは崩壊 しかかっていたこと、これが崩壊に向かえばどんなことになるか、大手企業の トップが読み切れないわけがないと思うのだが。 B: 同感だねぇ。経営とは最悪を読んで、最善の手を講じることだろうから、どっち に転んでも被害を最少化する戦略で臨んでいると思いたいね。 “読み切れなかった”のではなく、“そう思いたくなかった”ということかも 知れないね。 A: それにしても富士通は以前、ソリューションを謳い文句に、ハードからの脱却、 能力主義と華々しく改革を謳った筈だね。だから一時、株価は5000を越えた。 ところが、アメリカバブル崩壊と同時に一転、大赤字。ハード依存体質は裏目 に出たと報じている。高いときに買った株主としては大いに騙された気分だよ。 B: おやおや、高値を掴んで現在、半値四掛けというところだな。 IRとはそんなものだろう。旗印を掲げたものの、思うようにハードから抜け られない。というより依然としてハードが儲け頭だったから、手がつけられ ないということだね。ソフトが思うように利益が出なかったことも守旧派を 助けたということではないかい? A: ハードって、なんだい? B: 新聞で報じているように、半導体商売だね。特にDRAM、知っての通り半導体は 設備産業で量産効果が凄い。だから競って設備投資をやってシェアを増やそう とする。数が増える程、利益が鰻登りということだ。大量生産時の一個当たり の粗利益など信じられない程だから。 だが、世界中で競って設備投資をやれば過剰生産になることは分かり切って いるが、それでもやるんだね。だから需要と供給の関係には極めて敏感だ。 シリコンサイクルと言って好不況を繰り返している。だが、今回のアメリカ の不況は深刻な影響を与えている。 A: 何だか未だすっきりしない。こうしたメーカーは通信機やエレクトロニクス の会社だろう?何だか半導体だけで商売をやっているように見える。 B: そうなんだね。それだけ時流に乗った時の利益が大きいということだろう。 裏を返せば、本業の儲けは少ないということかね。こんなことになるのは分かり 切っている。それでもやめられない。何だか麻薬のような感じだねぇ。 A: だから今度こそハードからの脱却とリストラを打ち出しているんだね。 でもどうかねぇ。何せ人が多すぎる。戻り待ちはあと数年先かな。