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DIARY

ごきぶり日記248

狙われる団塊の世代


肩たたきまがいの退職勧誘をしなかった大手メーカーが、ついに踏み 切ったようである。
「早期退職優遇制度」首切りではなく、次のキャリアデベロップメントだという。
もっともらしい名前はついているものの、肩たたきによる人減らしには間違い ない。対象は45歳以上、50歳の社員には月収の30ヶ月分を上積みするとし ている。50歳、つまり昭和26年生まれ、昭和48年度の学卒に当たる。

まさに団塊の世代の中心にあり、経済成長の上り坂を一気に駆け上がって現在に 至っている層である。苦労と言えばベビーブームで入試の競争倍率が高いという くらいのもの。その間、景気が悪くなったことも大きな事件も起こっていない。 いや、数次に亘るオイルショックがあった。だが、寄らば大樹の蔭にあっては、 自分事と感じる程の問題では無かった筈である。
いずれの大手企業も、この団塊の世代が人減らしの狙い目になっている。

この年代は今や、役職なら事業部長クラスにあっておかしくない。だから、 年俸は1,500万円を下らない。とすれば、上積み30ヶ月分で3,750万円になる。
50歳でもこの制度に乗れば定年退職扱いだから退職金は3,000万円〜4,000万円。
つまり退職金は上積み分と合わせると、60歳で定年退職を迎える時の2倍になるわけである。
こんなうまい話は他に無いようだが、60歳までの10年間は無給であることを 忘れてはならない。

この10年を使って次の人生を考えなさいというプログラムだから、トレードオフ になっている。“そろそろ自分の会社でも作って・・”と考える人に取っては、 この上ない恩恵である。そうでない人に取っては地獄の肩たたきになるのかも知れ ない。そんなに沢山戴けるなら、会社を二つ三つ作って儲けようと思うところだ が、この年代はそうは行かないらしい。

会社に入った時は日本的経営礼賛の時期であり、経済は右肩上がりの端緒にあって 何もしなくても仕事はいつも眼前に溢れている。その仕事をどうやって配給し、 消化するかだけに追われる毎日であったことだろう。
そこには取りたてて競争もない。どうやって相手を倒すか、自分が生き残るか、 などの相剋のサバイバル戦争など考える必要もない。そんな社会で半世紀も生きて 来れば人間、創造力も闘う意志も萎えようというものである。

だから、“今こそ個の世界、自分の力で次のキャリアを作る時”と言われて、 金を積まれても、そうおいそれと乗るわけにはいかない。
急に時代が変わったからと言っても人間の習性はそんなに簡単に変わらないし、 それにもっとも変わりにくい、甘えの世代なのである。

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