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DIARY

ごきぶり日記245

ゼロベース予算


予算というものは、所定の期間に幾ら売り上げて幾ら儲ける、そのために何処に どれだけの金を使うという経営の枠組みだから、決めた数字より多くても少なく てもいけない。±5%くらいに収めるものだと教えられたことがある。

サラリーマンの家庭なら収入は決まっているから支出を切りつめれば当然余裕が 出る。だがそれでは生活の質を落としてしまう。だから決まったお金は有効に 使い、生活を楽しみ、更に活力をつけて翌月に臨むということになる。

予算とはその経営母体をどのようなビジョンで、どんな方向に向かって発展させ て行くかという理念を数字で表すものだから、この国には今、何が緊急課題 なのか、何処に幾ら使うべきかという根本的な議論があって、毎年決まって行く ものなのだが、これが無いということがようやく叫ばれ始めた。

つまりゼロベース予算である。「過去の配分比率ではなく、経営方針に従った 配分」などというと当たり前ではないかと思われるが、これがなかなか難しい。
会社経営なら第一に、はっきり理解出来る経営方針(これが曖昧ではどうしよう もないが)があること、第二にこの方針を実現するための予算配分上の実行力、 第三に公平性などの難関がある。事務部門に実力が無ければ出来る仕事ではない。

国の予算は永い間、それぞれの領域の力関係で決まって来た枠があり、それを 減らすとか増やすとかで分捕り合戦を行ってきた。その予算は何でもかんでも 年度内に消化しないと翌年度の予算が減らされる。
だから、年度末になると道路をほじくり返す現象が増えることで、みんなが よく知っている。

使った金によってどんな効果が得られたかという定量的評価は求められていない から、とにかく予算のある限り湯水のごとく使う。それによって無用の長物が あっちこっちにごろごろ出来ることになる。
企業ならこんなことはあり得ないと思うのは当たっていない、これまでは企業も 前年度実績主義であった。つまり、前年度に幾ら売り上げたか、何処に幾ら金を 廻したか、幾ら儲かったか、という過去帳を使って、それをベースに増やしたり 減らしたりしていた。

何でこんなことになるかと言えば作った物が必ず売れる世の中だったから、一々 面倒な見直しが必要無かった。だから過去帳を持ち出して若干手直しすれば、 ちゃんと利益が出た。そんなことを永年繰り返すうちに、ゼロから商売を考える 力を失って行ったということにほかならない。

中期計画という言葉がある。まぁ、精々三年から五年を中期と見て、この間会社 をどのように発展させるかという経営計画なのだが、中味が無いから数字だけが 毎年順調に増えるように作る。実は翌年になってこの目標が達成出来ない時は スケールを一年ずらしてそのまま次の中期計画にすれば良い、という笑い話が あった。
このサバイバルの時代に、未だみんながこんなことをやっていると言えば叱られ るかも知れない。だが、会社が大きければ大きい程になかなか変われないのも 確かである。

国の場合は「既得権」という、口も出し歩き回る亡霊が改革を叩き潰そうと暗躍 するから厄介だ。ところで亡霊というものは姿形を見せず、ひたひたと迫って 来るというのが常識だが、永田町の亡霊は何処に巣くって、何をどうしようと 画策しているのか分かり切っているというから、図々しい。

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