ごきぶり日記244
Legal Sensitive
古くから“あの会社は Legal Sensitive だ”というように使われている。
よく言えば、「法律的に敏感だ」ということになるのだろうが、むしろ“何かと
いうと訴訟に持ち込む”という危険な会社としてマークするために使われている。
言うまでもなく、主に訴訟大国アメリカでの話である。
個人でも、気にくわない話を紙に書いて裁判所に持ち込めば、安い訴訟費用で
簡単に相手を訴えることの出来る国だから、訴えられることを恐れていたら仕事に
ならない。女性社員でも差別された、平等で無い、などと法廷に駆け込む。
道路の何処にどんな形の大きさが幾らの穴が空いているかという詳細で膨大な
データベースを備えて、訴訟時のデータを提供する会社があった。
どこそこで転んで怪我をしたのは、その道路を管理する国なり、自治体なりの責任
だと訴える証拠固めの手助けをする会社である。
言うならば訴えて、なにがしかをせしめようという狙いに他ならないのだが、
訴えられる方はたまったものではない。
物作りの現場では、昔から納入したあとで見つかった隠れた不良を瑕疵(かし)
担保責任として製造者の責任を問うことは行われているが、これとてそれほど厳密
に実行されているとは言えない。
「日本の社会だから・・」“まぁまぁ”というのが通例だろう。
日本の企業社会では、物作りは殆どが大企業の関連、系列、下請け、(生産基地)
に決まっているから、物作りの過程あるいは納入後に不良が発生しても、その責任
をこれらに負わせることなど考えられない社会であったし、今も変わりがない。
それどころか、これらの生産基地が自分の過失で不良を出し、これを修理あるいは
作り直す場合でさえ、この費用を発注側が支払う仕組みになっている。
瑕疵担保責任、製造物責任は親企業と直接のユーザー間にしか存在しない。
こんな日本の構造で小さな会社がいきなり製造物責任を負わされたらどうなるだ
ろうか。法律は人の思惑で一人歩きする。弁護士費用、裁判費用だけで会社が
潰れてしまうかも知れない。
ボツボツ小さな会社に対しても損害責任を持たせようという動きが見られる。
ベンチャー等に対する保険等の保護対策はどうなっているのだろうか。
今、EMSとして外部に生産を委託することが急速に進んでいる。この相手は外資系
企業だろうから、こんな問題の対処は万全に違いない。
この辺からも日本の企業社会の姿が変わって行くのかも知れない。それとも
相変わらずのファミリー企業集団で、中小は親鳥の羽根の下で生き続けるのだろ
うか。
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