(株)テクノクリエート トップページへ TOP

DIARY

ごきぶり日記219

人間に戻りたい


人間の営みとは無関係に、いつもと変わらない日の出が静かにあがり、何事も なく21世紀が明けて行きました。

年が改まったからといって、去年までの阿修羅のような世相が一変して希望に 燃える世紀になったわけでもなく、更に深刻なことになるかも知れません。 せめて“めでたさも 中くらいなり おらが春”と願いたいものですね。

この頃は、人類はなぜ此処まで進化してしまったのかと思うことがあります。
太陽を神として畏れ崇め、自然の恵みに感謝してあるがままに生を享受して来た 祖先は果たして不幸だったのだろうかという疑問です。 それは当然、科学の進歩とそれに伴う社会構造の変革は病苦や貧困から多くの 人々を救って来ました。

でも、加速度的な進化に人間の心が追いつかず、至るところで歪みが起こって いることは誰しも認めるところです。野生動物は自分の腹が満たされれば、それ 以上は殺戮をせず、自然の懐の中で素直にその一生を送って行きます。
人間だけが覇権の野望に燃え、殺し合いの歴史を繰り返し、果てしない欲望に 取り付かれて来ました。

野生動物が集団を組み、他の種を襲い全滅を計るなどあり得ないのですから、 人間というものはなんとも恐ろしい動物です。
その恐ろしい欲望とエゴが人間の生きることの出来るたった一つの地球という 栖(すみか)をも破壊しかかっています。

人間の叡知も、覇権とかエゴいう人間固有の欲望には勝てないことは歴史が証明 していますね。
現代には哲学が無くなってしまったように見えます。哲学という言葉はギリシア 語の Philosophia (フィロソフィア)から出て、知恵(ソフィア)を愛する (フィレイン)という意味だそうです。

人間にとってもっとも大切なことは、ただ生きているだけではなく、よりよく 生きるということで、本当の知恵とは国も個人も良くなるように考えることだ と教えています。
難解で分からないながらに、プラトンやソクラテスに憧れ、「三太郎の日記」 (阿部次郎)にかじりついていた当時の学生は何処に姿を消してしまったので しょう。

加速度的に回転している競争社会、飽くなき利益の追求は倒れるまで、倒される まで続くのでしょう。恐ろしいのは、この限りないサバイバルが人間の知恵を 愛する心を踏みにじっていることです。これでは地球もろとも自滅するしか ありませんね。

最大の犠牲者は子供たちでしょうね。何がいけないのか、何が正しいのか分から ないままに苦しみ藻掻いています。心は無意識のうちに今の社会からの解放を 求め、人間に戻りたいと叫んでいるのかも知れません。

昨年の暮れも押し迫った頃、あるタクシーの運転手さんが、「日本は良くなり ませんね。このまま奈落の底に突き進んで行くのでしょう」と恐ろしい話を していました。今年は人間の叡知と愛がどこかで大きく世の中を変えてくれる かと願うばかりです。

みなさまからのご意見、ご感想をお待ちしております。 E-Mail: info@techno-create.com
Copyright(c)2001-2002 株式会社テクノクリエート All rights reserved.