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DIARY

ゴキブリ日記86

夜の灯り


銀座一丁目から八丁目のスナックマップをご覧になったり、実際に自分で荒らし回った経験をお持ちの方も多いことだろう。
それこそピンからキリまであるのだが、カラオケセットの代わりにピアノが置いてある店は間違いなく高い。 クラブと云うのだろうか。
確か、バブル時代でも三人ほどで、30分も座っていると10万円をゆうに越える値段である。 バブルのはじけた今でもこの値段は変わっていないらしい。

この程度は銀座の標準で未だ安い方かも知れない。
例に依って綺麗な女の子が数人同席する。 もし、アメリカでこんな商売をやったら、女性蔑視で翌日は営業停止を喰うところだが、 これが日本の歴史的な伝統だから無くなるわけがない。 銀座の女性の時給はその昔に1時間、1万円を越えていた。今もそれほど変わっていないらしい。

今やウイスキーの値段など知れたものだから店の原価は、所場代と女性の時給とミネラルウォーターなのである。
カラオケなど無いから洒落た会話が商品の筈だが、姿形は抜群に美しくなったが機知とウイットに富んだ会話など期待できない。 それもその筈、彼女らは学生あり、OLありの普通のお嬢さんが多いからプロではない。 ただ、黙って座っていれば良いらしい。

これほどの店ではないが、若者がなにやら楽しそうに飲んでいた。話の調子からすると会社の同僚らしい。 いざ勘定の段になると、名詞を出し「此処に送っといて」といっている。見るともなく覗くと見慣れた大企業の名刺である。 こうして銀座が持っているんだなと妙な感心をしたことを覚えている。

そこへいくと金沢とか仙台などの城下町は良いと多くの人が口を揃える。
銀座の1/3〜1/4の値段で人情味豊かな会話がある。
仙台の彼女らに「時給は二千円だったね」と鎌を掛けたところ、 「そんなに貰っている人は滅多にいないわよ、ねぇ」と女同士で確認しあっている。 何とも微笑ましい風情である。

 

 

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