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DIARY

ゴキブリ日記34

広告の脅迫


コマーシャルは企業にとって欠かせない広報、宣伝活動だし、民放にとっては 事業収入源の総てだから、あれでもか、これでもかと工夫を凝らす。
中には馬鹿馬鹿しいもの、考え過ぎで結局なんだか分からない物もある。

コマーシャルは、ほのぼのと感じ、ユーモアのある物が良い。
亭主が出がけにゴミとアタッシュケースを持ち、出勤する。こんな光景は団地 などでは、ごく普通のことだろうが、そこでゴミ箱へポイとアタッシュケース を捨て、ゴミを持って行きかける。はっと気がつくと、奥さん方が不思議そう にゴミ箱をのぞき込んでいる。云わずと知れた、どこかのドリンク剤の コマーシャルである。
何ということはない、誰でもが経験のある、疲れたかなと思う一瞬を巧く 捕まえていると思わせる。

宣伝まる出しで、選挙運動の連呼のようなコマーシャルはかえって疲れが出る。
家内には食事の時くらい目を離し、うるさければ見なければ良い、といわれる のだが、限られた時間で如何に多くの視聴者の関心を集めるか、必死の努力を している姿が忍ばれ、つい見入ってしまう。

最近、インターネットでは「プッシュ広告」が盛んである。いや、これから 盛んになると言う方が正しいかも知れない。こんなことはインターネットの 常識かも知れないが大分前に雑誌でニュース配信の無償ソフトを見つけ、早速 ダウンロードした。

これから出るプッシュ広告は殆どがそうだろうが、このソフトもスクリーン セーバー兼用になっている。洒落た賑やかな画面なので、これは良いとばかり 使いだしたが、暫くすると神経にこたえることに気がついた。

画面のあちこちの片隅に、各種の企業の広告が目まぐるしいほどに、繰り返 される。

ちらちらと目が痛い。ちょっとキーボードから離れていると、突然に広告が 飛び出す。スクリーンセーバーの設定時間が短いせいだと言われればその通り なのだが、そのうち広告に追い回されているような圧迫を受け、折角ダウン ロードしたソフトをついに消してしまった。

文字通り「プッシュ広告」なのだから人の目に触れやすいところに出して 気がついた人が見るのではなく、強引に見せる広告なのだろう。
狭いスペースに何社も広告を載せなければならないから、次々と変わる。 そのひとこまを印象づけるために、動く「gif」を使ってチカチカとやる。 これでは心は安まらない。

あの手この手は何処まで進んで行くのだろうか。なんだか見知らぬ他人が 自分の家に断りもなく上がり込んでくるような感じがする。インターネットを 開けばプッシュ広告の亡霊に追いかけ回される時が来そうである。



<ゴキブリ後記>
床下から眺めていてもスクリーンセーバーはゆっくりと流れるものが 心安まる。
そういえばテープの電話勧誘セールスが増え、頭に来ている人がいた。 これがいまのサバイバル戦略なのだから、神経がもたなければ、世の中に 取り残されようと、電源を切り電話を外し、庭の花でも眺めているしか あるまいに。世の中はますます世知辛い。

 

 

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