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DIARY

ごきぶり日記199

法律が政治の道具に


一旦決まった法律を、政治の道具として作り替えようとしている。
株式譲渡益に対する課税の話である。

株の譲渡による課税はご存じのように現在、以下の二本立てになっている。

  • 申告分離課税−申告して株式売却益(キャピタルゲイン)の26%を払う。
  • 源泉分離課税−売却代金の5.25%を譲渡益と見なして、
    その2.5%を 自動的に源泉徴収される。

申告分離課税は実際に売った時の利益に対する課税だから儲けに対しては、 がっぽり税金を取られるが、損をしたときは確定申告で税金をセーブ出来る 利点がある。
源泉分離課税は儲けに関わらず、売った時の額面に対する課税で、一律 1.05% に決まっている。だから一定の投資で大きく儲けた時は税金が安い。
現物取引などでは殆ど、この方式が選ばれている。

つまり、どちらを選ぶかで所得の操作が出来た。
来年4月からは、この源泉分離課税が廃止され、申告分離課税に一本化される ことで法改正も済んでいる。
どちらが投資家に取って有利かは別として、源泉は株式譲渡益の見なし差益に 対する課税で、主要国はこの方式をとっていない。
これで主要先進国と歩調を合わせることになっていた。

個人投資家にはややこしい話だが、簡単に言えば「源泉」の方は売った総額の 1.05%だが、「申告」の方は利益の絶対額の26%という違いにある。
例えば、ある株を300万円で売ったとすると「源泉」なら損益には関係なく、 39,000円の税金を自動的に徴収される。

これだけ売ったのだから、これだけ儲かった筈だという「見なし課税」という 理屈だが、「申告」の方は売却益に関係して来る。
同じ300万円で10万円の利益を得たと仮定すると税金は26,000円となり、この方が 得だという計算になる。

つまり、利益が売却額の4%以下ならば「申告」の方が有利ということになる。
先の例では、300万円の4%、12万円の利益なら、これまでと変わらない。
ここがボーダーラインとなり、それ以上なら源泉が有利、それ以下なら申告が 有利ということになるわけである。

ネット証券では手数料率を1日の取引で三回、300万円までと制限していたが、 最近、この取引回数を無制限に変えているところがある。
単純に考えるなら、利益の幅を4%以内に抑えて、頻繁に売買するデートレー ディングのような手法が有利ということになるのかも知れない。

アメリカが好況を持続しているのに、日本の株価は最低線を低迷している。
野中幹事長が「現制度継続に向けた法改正を目指す」意向を示したことで、 源泉分離課税復活に向けた議論が本格化する兆し、と報じている。 「8月9日、朝日新聞朝刊9面(経済欄)」

日本の株価の低迷は、迷走する政治と行政に対する不信感から 外国人の売りが 大きいと言われる。国際金融市場の見る目は厳しい。金融行政の責任者が派閥の 順送りで決まっては消えるさま、そごう問題など、その始末に右往左往するさま を見せつけられれば、逃げ出すのは当然かも知れない。

株価低迷は政権の基盤を危うくする。この下支えが目的で作ったばかりの法律を また変えようとする小手先の変心を世界が見抜けないわけがない。

 

 

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