ごきぶり日記198
獅子身中の虫
獅子身中の虫[梵綱経]
(獅子の身中にすんで、これの恩恵を蒙っている虫が、かえって獅子の肉を
喰ってこれに害毒を与える意)
仏徒でありながら仏法に害をなすもののたとえ。
また、内部にいて恩恵を受けながら害をなすもののたとえ。(広辞苑)
とある。
こんな虫を身体の中に住まわせて置いたら、いずれ我が身が食い荒らされ
るのだから、一刻の猶予もならない。
だが、どうも政党と言うものは、この虫と同居して生存しているものらしい。
あるいはこの虫だけで、成り立っているものなのかも知れない。
「久世再生委員長に利益提供」(7月28日朝日新聞一面トップ)と報じている。
7年間にわたり銀行の関連企業が借りた国会近くの事務所を一切の費用を払わずに
使っていたこと、また、13年間同じ銀行から顧問料を受け取っていたという。
こんな癒着を知っていながら任命する総理も、永田町感覚で、ずれていること
甚だしい。金融行政のトップが、直接の利害関係の当事者である銀行から、
総額2億3000万円もの利益提供を受けていたのが事実ならば、たとえ過去の話
であろうが、真っ黒に色づいていることは間違いない。
マスコミによって次第にその事実が明らかにされて行く。
獅子は国政であり、政権を司る政党だろう。普通ならこんな虫が居ると分かった
ら、すぐに虫下しでも飲んで、腹の中を綺麗にしようと考えるのが当たり前なの
だが、この政権与党という獅子は、そんなものは居ないとばかりに、大事に飼って
置くつもりらしい。
腹の中にそんな虫が居るということを認めたら我が党が危ない、あるいは自分も
同類だから頬かむりをしなければという発想だと思うが、国が蝕まれることは
どうして呉れると云うことだ。
政党が腐敗したとき国が滅びるのは、つい半世紀前の歴史が証明している。
政党の腐敗と無力化が軍部のファッショを呼び、日本は一度、滅亡したにも関わ
らず、またも歴史を繰り返そうとする。人間とは何と愚かな生物か。
「李下(りか)に冠を正さず」「瓜田(かでん)に履(くつ)を入れず」とは
少なくとも疑われるような行動をすべきではない、という戒めだが、人の栽培する
スモモの木の下も、豊に稔った瓜の畑も出来心を誘うから、そんなそぶりだけでも
疑われる。中国五千年、悠久の歴史は為政者や役人の腐敗との闘いでもあった。
先の建設大臣も現、金融監督庁長官も、スモモや瓜どころではない。直接の利害
関係にあるものから、現物の利益供与を受けたことになるのだから、これが事実
なら、「疑わしい行為」どころか岡っ引きや同心の“たもと銭”と変わるところ
が無い。
新生銀行の瑕疵担保条項、それに端を発した「そごう」問題、さらに日債銀の
譲渡延期など、加えて景気の先行き不透明感から、外国人投資家は逃げだして
株価は底知れず落ち込んで行く。
国益など何処吹く風、権力は我にありとばかりに、未だのうのうと続ける気で
いる顔、顔、顔を見ているのが辛くなるこの頃である。
それにしても、日本人は優しくて甘い。利益誘導の大好きなエゴイスト集団
なのかも知れない。“怒れ日本人!”
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