ごきぶり日記192
悪魔の金融
最近は、金融や投資の世界に悪魔という言葉が目につく。
株も投信も、先物取引も一攫千金を求めて虎視眈々と機を窺い、金儲けに
ひた走るのだからバクチには違いないし、悪魔が居てもおかしくない。
そう言えば株の用語には、バクチや遊郭から出た言葉が多いという。
一体、幾らならこの株価は適正なのかということはその会社の収益、純資産、
売上高、あるいは株主資本に対するそれぞれの指標があるが、例えば株価収益率
(PER)は一株あたりの利益と現株価の差違であり、1が適正値とされている。
これが大きいと云うことは、利益ベースで現株価が高く評価され過ぎている
ことを示している。
良い会社の株を買って値上がりを期待するのが、普通の感覚だろうが、例えば
彼の光通信(特定の株を名指しするのは好ましくないが)は年初、最高で25万円
まで上り詰めた。現在は5000円そこそこまで落ち込んだが、それでも株価収益率
は15.82倍となっている。株価は将来の期待と夢を買うものとは云いながら、
何ともこの株価インフレにはあきれ返る。
株価は経営者のIRの巧拙で大きく変動する。実体経営が今は赤字でも、その夢が
尤もらしく、その筋がこれに乗れば群衆心理も手伝って急激な上昇を示す。
具体的に操作しようとする人間も出れば、風説を流布して自己取引を有利に
導こうと目論む人間も出る。つまり至る所に悪魔が居る。
メッキが剥げれば唯の販売会社、この株でどれ程の大損をしたことか。
それもこれも自己責任だから、誰を悪魔と恨むわけにはいかない。
株価は生きており、誰が動かしているのか分からない。現在はインフレ率
(消費者物価上昇率)と金利の上昇でアメリカは景気が減速しているから市場の
不透明感が広がり、外国人投資家が日本株を売って債券を買い越しているという
が、これとて定かではない。だが、外国人投資家の対日投資戦略に、日本の株価
が右往左往しているのは間違いなさそうだ。しきりに日本のデフレ懸念を宣伝
する悪魔の手口が見え隠れする。
それにしてもゼロ金利政策がいつまでも続くという錯覚は根強く、借りた金を
返さない。債務免除で、公的資金をただ取りしようとする悪魔がうろつく。
“潰すなら潰して見ろ!困るのはそっちだよ”と公然と借金の踏み倒しをやる。
まさにその通りなので、胴元の銀行は渋々泣き寝入りする。
管理職社員のボーナスを自社の株価に連動させているところが多いと聞く。
確かにキャッシュフロー重視の時代だから株価は経営戦略上、重要な立場にある。
だから社員に自社の株価を意識させることはこの上なく重要だろう。
だが、彼らは自分たちが如何にしたら「衡陽の紙価を高からしむ」ことが出来る
のか、など全く分からないし、そんな自由に活動出来る立場には居ない。
そうなると自分の本分を如何に尽くしても、経営が稚拙ならば一連託生という
ことになってしまう。
如何に綺麗事を並べても、謀り事をもって尊しとする戦略、戦術は言葉通り、
“謀略”なのだから、言葉を換えれば人を陥れる“騙しの悪魔”になる。
金融に限らず、いろいろな悪魔の横行する時代になったらしい。
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