ごきぶり日記190
梅雨のように鬱陶しく
また鬱陶しい季節がやって来ました。
いつ果てるとも知れぬ長雨や、どんよりとした曇り空は、それでなくとも
やりきれない最近の世相に重なって、梅雨に入る前から早く去って欲しいものと
思うのが人情でしょう。
それでも、梅雨時のしっとりと降る雨は、ものを想う情緒を誘い、それはそれで
移り変わる四季のけじめのように、人間のリズムに欠かせない句読点なのですね。
この梅雨よりも鬱陶しく、かつ、腹立たしいものがやって来ました。
選挙の“連呼”です。スピーカーのボリュウムを一杯に上げ、候補者の名前と
“お願いします”を無機質に絶叫し続ける選挙カーは、先の見えない世相の苛立ち
を掻きむしるように神経にこたえます。
私などは“無神経な連呼の多い候補者には絶対に入れないぞ!”と思うことさえ
あります。
日本人は選挙に名前を付けるのが好きなようです。日本人というよりはマスコミが
煽っているに過ぎないのですが、この中にNews23 筑紫哲也の「どん詰まり選挙」
という言葉があります。
景気は相変わらず先が見えず、国の財政は破綻寸前、教育は荒廃して少年犯罪が
激増する、病院が次々と医療過誤を起こし隠蔽しようとする。頼りの警察は組織
と仲間を守るための隠蔽体質が益々強くなる。どれ一つを取っても壁に突き
当たったように「どん詰まり」状態にあることは確かでしょう。
政権政党はあからさまな党利党略がすべてであり、日本の国際的な立場や将来を
見つめた図式とマイルストンを描くことも出来ず、数あわせに終始する。
野党も吠えるだけで同様にビジョンを示すことが出来ない。こう考えると
フロンテァ精神を失った日本に輝かしい将来は無いのかも知れませんねぇ。
どん詰まりなら何処かの壁を打ち破らなければならないでしょう。だが、現在の
連立政権が過半数を確保するだろうと予測しています。何故でしょう。
国民は、如何に国の借金が多かろうと現在の生活にほぼ満足しており、現状が
変わらず、更に景気がよくなってくれればそれで良いということが根底にある
ようです。
危機感を持たず、現在の生活に満足であれば、孫のローンで生活していること
など、どうでも良いのでしょうね。バブル時代の衣服を着て、バブル時代の生活
様式で、迫り来る危機など全く感じなければそうなるでしょう。
自分さえよければというエゴ全盛の時代です。
選挙に行くかという街の若者への質問に「関心が無いから」「今のままで良い
から」という答えがありました。次の世代が政治に無関心な国は、糸の切れた凧
のように何処かへ飛んで行ってしまうのかも知れません。
アメリカ在住時に2回ほど大統領選挙がありましたが、共和党、民主党の候補が
出揃った最終段階で、支持者は候補者のバッジ(ハート型大きなバッジに
“I like Jone !”のように書いてある)を胸に付け、話が選挙に及ぶと支持候補
の政策を主張し、口角泡を飛ばして喧嘩のような議論をする光景を見掛けました。
門外漢の私がバッジを付けていないと見るや、「お前はどっちを支持するんだ。
ポリシーを持っていないのか!」と詰め寄られる一幕すらありました。
フロンテァ精神を国のエネルギーとするアメリカと、行方も分からない難破船の
ような日本とでは比較のしようもありませんね。
第二次世界大戦初期、舐めきっていた日本に真珠湾を叩かれ、南西諸島に侵攻
されるに及んで本気になって立ち向かってきた、あの底知れぬエネルギー、
三つ子の赤字に悩まされ、財政破綻に追い込まれたアメリカ経済を此処まで
立ち直らせたバイタリティ。こんなエネルギーが日本に復活するのでしょうか。
将来、心ある若者は大量に国外流出するかも知れませんよ。
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