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DIARY

ごきぶり日記180

発想が枯れて行く


ある人の紹介で愉快な人に会うことが出来た。お歳は75歳とのこと。
だが、論旨明快で論断風発、留まることを知らない。それでいて人の悪口を 言っているわけでも法螺を吹いているわけでもない。要するに内なる想いが 溢れており、それが沸々と湧き出て来るといった感じである。

弁論を勉強した人にはこうした傾向があるが、この方はそうでもないらしい。 こうした人と話をしていると、歳って何だろうと改めて考えさえられる。
そう言えば政治家もこのたぐいかも知れない。良きにつけ悪しきにつけ、 政治家はいつまでも理念を持ち、自分がやらなければ世の中は駄目になるという 燃える想いを持ち続ける。だからいつまで経っても若々しく、定年制何する ものぞとばかり現役にへばりついて居る。

名誉欲や、目立ちたがりの性格が強いことも、政治家人種の性向の重要な部分を 占めているのだろうし、利権という金銭欲もあるに違いない。
だが理想と大儀名分がなければ、自分自身をそんなに支えられるものではない。 だから、こうした人たちは言葉も姿勢も歩調も実にシャンとしている。
人間は強い意志と想いがあって、始めて心も(頭も)身体も活力を得るもの らしい。

ところが、サラリーマンは少ない例外を除いてはこうならない。第二の人生と いえば趣味の世界でのんびり過ごすのが定型的パターンになっており、さて、 この辺で自由になったのだからもう一花咲かせようという野心、野望はかけらも 残らなくなる。“もういいですよ”という口癖をよく耳にする。
永年、企業という鋳型にはめられ、狭い閉鎖社会の中で会社のためばかりを 考えて心身をすり減らせば、発想は枯渇し、意欲も果ててしまうのも当然かも 知れない。

会社を卒業したらベンチャーをやろうという人がいる。
会社を卒業する(定年まで勤める)ということは、今の日本企業では 発想の芽、思考の自由度を最終まで枯渇させるというに等しい。

退職金、年金を手に入れて、御身をご安泰にしてから、さて新しいビジネスに 挑戦しようと考えるのは、なんとも虫がよすぎるということではなかろうか。
そんな大企業経験の全く無い人が、若い時から新ビジネスにチャレンジし、 挫折を繰り返してはまた再起する。こんな人が現代で成功したベンチャーと して脚光を浴びている。

新ビジネスは及び腰で生まれるほど甘くはない。だから、無鉄砲さと止めても 止まらない熱い想いがあるのはやはり若いうちということになる。
とすればサラリーマンは企業創造の時代を脇目に見ながら、別世界の話として 今までと同じ生き方で余生を過ごすしか仕方がないということか。

また失業率が上がっている。企業の再編、改革の実行年度に入リ、ストラ本番を 迎えるから当然なのだが、新規企業の創生でこれを吸収するという考えは如何な ものか。
欧米とは全く土壌の異なるサラリーマン社会で、労働人口の流動化が計れるとは 思えないのだが。

 

 

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