(株)テクノクリエート トップページへ TOP


DIARY

ごきぶり日記175

ちぐはぐな景気回復


なんともいびつな景気に見える。
金融機関の不良債権は一応、帳簿からは消えかかっているが、この天文学的な 数字はそう簡単にはなくならない。どこかで姿形が変わって残っている。

株価は瞬間風速ながら2万円の大台を突破したが、ITに偏っており、何時 落ち込むか分かったものではない。
一見どうやら景気は回復軌道に乗ったかに見えるし、政府はその成果を宣伝して いるのだが問題含みであることは何も変わっていない。

過剰設備は一向に減らない。それもその筈、消費が相変わらず落ち込んでおり、 大きなリストラを控えて増やすことが出来ない。失業率は相変わらず高い数値 のままである。時々異常な気候に左右され、てぬか喜びのように数字が上がる だけである。
それでいて株価だけが上がる。機関投資家の思惑買いならまだしも、個人投資家 がぐんぐんとシェアを上げているという。世界一周の豪華客船が一年以上予約で 埋まっていると言うし、高い株ほどよく売れる。金を持っている人は山ほど 持っているらしい。

株は、と見ると殆どITに集中しており、高額な株ほど人気がある。 1株単位とか、せめて100株くらいに分割していればまだしものこと、1000株 単位で数万円なら、数千万円の現金を用意しなければならない。
もっとも信用取引なら現金が手元に無くても良いのだが、貧乏人では1000円 下がっても100万円の損だから、命がけであり、精神的にもよろしくない。

アメリカのIT株バブルがいつ弾けるかと皆が見守っている。 株価収益率(PER)、株価純資産倍率(PBR)などは既に適正株価を超えている から明らかにバブルなのだろう。
FRBも大いに心配し、何とかこの“はしゃぎ”を抑えたいと苦心を重ねているが、 まさか冷水をぶっかけるわけにもいかない。そこで公定歩合やフェデラル ファンドレート(FF)を小刻みに上げて軟着陸を試みるが、市場は刻々に出る 指標を見ながら“まだ行く、まだ行く”と利上げを織り込んで仲々いうことを 聞かない。

株の取引に「“まだ”は“もう”」という戒律があるという。人間の欲は限り なく、上がっているときは、どうしても“まだ、まだ”という心理になる。 そこである日、ドタンと落ち込み、パニックが起こる。
歌の文句ではないが「分かっているけど、やめられない〜♪♪」ということ なのだろう。

日本株も右へならへで同様である。経営の中味を見ると利益を出し、堅実な 経営をやっている会社が数多いのだが、IT関連でないということで見捨て られる。繊維などは新素材の開発で立派な仕事をしているが、いつまで経って も底を這っている。

突然に株価が跳ね上がった会社がある。経営者が「ITに関連ありと見たんで しょうね」とびっくりしている。ゴムであろうがガラスであろうが、ITに 関連していると報じられるや、飛びつく。だから上がったと見る間に利食いで 叩き売られる。

衰退産業は別にして業種に関わらず、経営指標が良く健全な会社の株が買われる 市場でなければ、如何に2万円を超えたにしても博打に付き合うことは難しい。
ちぐはぐな土台の上に建っている今の景気回復論は、眉に唾つけてよく見極め なければなるまい。

 

 

みなさまからのご意見、ご感想をお待ちしております。 E-Mail: info@techno-create.com
Copyright(c)2001-2002 株式会社テクノクリエート All rights reserved.