ごきぶり日記171
巨大な狂い
つい先日、必要があって少し纏まったお金を近くの銀行に移した。
ところが、とたんに電話が掛かって来る、ご挨拶には来るで、応対に大変な
思いをさせられた。庶民のお金はそんな大それた金額ではない。用途の決まって
いる金だからと云っても承知しない。
まぁ、銀行とはそんなもので、営業熱心だと思えばそれまでだが、この低金利
時代にパーセント以下の金利で預金をかき集めようというのだから、何とも
涙ぐましい努力である。
こんな時、家内は“気の毒だから”と思って僅かの預金をするらしい。そんな
僅かなもので、営業成績がカバー出来るものでは無いことは百も承知ということ
なのだが、双方ともそれで納得するらしい。
銀行の一介のサラリーマンを虐めても仕方がないのは確かだから、これは慈善
事業への無利子、無担保の融資と同類かも知れない。
それにしても人の懐具合をいつも監視して、動いたと見るや狙いをつけて飛び
掛かるとは嫌らしい商売ではある。
貸し渋り対策を謳い文句に、7兆円に及ぶ公的資金が大銀行に投入されても、
銀行の貸出残高は減る一方で、その金は日榮、商工ローンなどの金融業者に流れ
ているという。公的資金の投入に当たって、貸し渋りなどの歯止めは無いのだ
から何処へ流れてもおかしくない。銀行のトップもこの資金の使い道として最善
の方法と信じているらしい。
確かに企業も借金を減らすために借りなくなっているし、貸すにも赤字だらけの
企業ばかりで優良な貸出先が見つからないのだろう。
だが、これでは「資金難の中小企業は40%の金利を払って借りなさい」と言って
いるようなものだと思うのだが、何かが何処かで狂ってしまっている。
12月18日の日テレ「ウェークアップ!」で中坊公平さんが「銀行というものは
人に金を貸すのが本来の姿なのに物に金を貸して来た。物に貸すというのは質屋
がある。だがこれは零細な金貸しだ」というようなことを言っておられた。
銀行の本業と銀行マンの心は何処へ行ったのか、ということである。
世界的な競争力を謳い文句に、大銀行の合併が進んでいる。巨大化すれば、政府
もこれを潰せないという思惑があるという。“税金は頂き”という発想だろうか。
大型合併で自分たちの城を築こうとするのも、本来の役割を忘れて利潤追求に
走るのも、肥大化した資本主義社会の生きるすべだとすれば、何とも恐ろしい
世の中になったものである。
SONY、ヨーカ堂が銀行業参入に名乗りを上げている。100%お客さんの方を向き、
顧客に奉仕して成長した企業が、銀行を始めれば本業と絡めてどんなサービスが
出て来るか楽しみである。
既存の銀行に取っては大変な脅威だろう。だから素人には無理だとか、思いつき
だ、などとあらゆる方面に圧力を掛けて参入を抑えようとしているという。
変わろうとする日本と、既得権の古い日本がせめぎ合うのも、変革前夜の嵐なの
かも知れない。何とか声援を送りたいものである。
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