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DIARY

ごきぶり日記150

不沈戦艦危うし


やがてこうなるという事は当然分かり切ったことでした。
山一、北海道拓殖、長銀、日債銀とまるで何隻もの「不沈戦艦大和」の最後の ように、あっけなく沈没したことは未だ記憶に新しい出来事です。
これで金融不安は収束したと宣伝する政府とは裏腹に、あと三つの戦艦大和、 つまり興銀、富士銀、第一勧銀が、一人で生きて行く自信を無くし、寄り添って 生き延びる道を選ばざるを得なくなりましたね。
何せ3行合わせて5兆数千億という天文学的な不良債権を抱えて、営業利益が 殆ど出ないのでは、それでも生き延びられると考える人は居ますまい。

三行合併のニュースが伝わるやいなや、株価はストップ高、買い一色で値が 付かない。関係ない銀行までつられて株価が跳ね上がる始末です。
アメリカのようにM&Aが日常茶飯事で、ある日どんと合体すると大幅な人員 削減が出来て、経営者の首のすげ替えは極めて簡単、たちどころに得意技毎に 分社、分担が出来る社会と同じ感覚で、合体即、次への期待とは行きませんね。 海外の投資家は一律同順に日本を見ているのでしょうか。

膨大な公的資金の返済、天文学的な不良資産、多くの高給役員、相談役を 抱えて、社員は不安におののいている現状で何故ストップ高になるのか、庶民 感覚には理解し難いところです。
然も、どの一つを取っても、かっては我こそは国家なりという意識と誇りの 固まりのような特権階級であった集団です。
巨像が何倍かに肥大化し、自分で動けなくなって倒れる事だってあるで しょうに。

三行をそれぞれ解体し、大幅に店舗を縮小して人員を削減すると共に給与水準を 落とし、根底から意識を改革する事が容易に進むなどとは信じられるわけが無い のです。だが、やらなければ沈没する、これも確かですね。今や経験した事の ない大津波に直面して狼狽えています。

地鳴りのような三行の合併のあとには、業界の再編が取りざたされていますが、 これは必然でしょう。だが、これでさえ我が身に迫る生存環境の大変化とは誰も 受け止めていないように感じます。云うならば、この変化に立ち向かう心の準備と 覚悟は全く出来ていないという事ではありませんか。

こうした日本改革がシナリオ通りに粛々と進んでいるのに、誰も舞台が大きく 回っている事に興奮も驚きも無く、ごく自然な時の流れとして受け止めている ように感じます。いや、どうせ日本は変わらないさ、と安閑としているのか、 あるいは、どう対応したら良いのか、分からないのか、何とも理解出来ない世の 中になりました。
会社人間をよくよく観察すると、どうやら時の流れの激しさは頭の中では充分に 理解し、不安に感じているにも関わらず、この会社を離れては何も考えられない、 何も出来ないという呪縛の中で、ただ流されているという想いが、ありのままの 姿のようでした。

あまりにも長すぎた元禄の繁栄は人々からモラルもモラールも、それに危機意識 までを奪いさり、中坊公平さんの云うように自分だけが儲かれば良い、自分だけ が生き残れば良いという、エゴの固まりの社会を作り上げたとすれば、何とも 恐ろしい真夏の怪談です。
日本がこのまま、軟着陸出来て、企業人の意識も大きな変化無く、そして再び発展 出来るならそれに越した事はないのですが。

さて、先行きどうなると思いますか?

 

 

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