(株)テクノクリエート トップページへ TOP


DIARY

ごきぶり日記135

畏れを知れ


Aさん。
一世紀に及ぶ我らが偶像が世の荒波で大きく変化しようとしています。
何代にも亘る多くの先輩が想いを託し、一生を捧げて築いた城も一夜にして 崩壊、あるいは没落するかも知れない昨今です。

「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、生者必衰の理 を顕わす」とはご存じ平家物語冒頭の書き出しですが、人間は諸行無常を知り ながら、それでも尚かつ永遠の繁栄を願い、無限の己の力を信じるものなので しょうね。日本有数の銀行も企業も一部の権力者によって、この繁栄に泥を 塗られたさまが報じられています。

永くてもせいぜい10年、15年の短い期間を権力の座にしがみつき、経営を 意のままに動かし、挙げ句の果ては息も絶え絶えの状態に落とし込む。
戦国の世ならば落ち武者として流れ流れ、果ては夜盗に首を打ち落とされる 結末となりますが、企業の世界では退陣という一言で免責になるのです。 そうした多くの戦犯はそのまま相談役という形で高い給料を取って存在するの ですから、繁栄の歴史を信じて営々と築き上げて来た泉下の先輩などは成仏 出来ない想いではないかと案じます。

権力者、独裁者も元は我が行、我が社のために粉骨して働いてきた人ばかり なのでしょう。だが、一旦権力の座に着くと生者必衰のことわりを忘れたかの ように、その座に未練を残し、己を見失うようです。
己れ一人の資産を掛け、一人で築き上げた城であるならまだ分からないことも ありません。でも所詮は単なる雇われ経営者、サラリーマンに過ぎないので しょうに。

それにしてもサラリーマンというものは哀しいものですね。だからこそ人を 押しのけても出世しなければならないのでしょう。そして権力の座に着く。 多くの後輩社員とその家族のために会社を繁栄に導き、機を見てさっと後継者 に引き継ぐ立派な経営者もおられることは確かです。 だが、官も民も権力と利権に群がり、私利、私欲のために多くの人々を苦しめ て来たこともまた、事実です。

将来の生活を保証し、見返りとして一生をそこに捧げて粉骨砕身する日本型 経営は日本人の心にぴったり合った美しい姿であり、だからこそ此処まで発展 を遂げたのでしょう。だが反面、たった一人の雇われ経営者に総てを託す恐ろ しさを秘めているのですね。今になってそれが分かってきたということかも 知れません。

捻れ切った経営はそれを戻すのに何十倍もの時間と労力と犠牲を払うことになるということです。 百年の歴史の重みは少数者の私物ではありません。何とか再生させたいものですね。

 

 

みなさまからのご意見、ご感想をお待ちしております。 E-Mail: info@techno-create.com
Copyright(c)2001-2002 株式会社テクノクリエート All rights reserved.