どうする大失業時代
Aさんと、Bさんの会話から。
A:そういえば過剰人員の話をしなかったね。 B:これは恐ろしい話だよ。今や企業は生き残りのためにリストラに専念して いるよ。何せ、リストラ即、首切りという言葉になってしまった様だからね。 A:うーん。過剰設備と来れば過剰人員と表裏一体のことだからねぇ。 前にも話に出たが労働力の流動化を急げと云っている。 この会社で仕事が無くなったらあっちの会社に移っても働けるようにしようということだ。 だがそんなにうまく事が運ぶかねぇ。 戦後のニコヨン失業対策事業と間違えているのではないかい? B:日本の会社はその会社だけの人材だ。如何に有名企業の部長でも、 他の会社に行けば新入社員だと評論家が云っているよ。分かっているらしい。 大企業の部長が中小企業に移ると、お茶汲みもコピーも自分でやらなければ ならないが、それだけでカルチャーショックを起こして駄目になってしまうそうだよ。 当たっているかもね。その会社に入社して、その会社の教育を受けて 会社の鋳型にはまった人間として育ち、そのまま出世する。 だから、その会社の事しか知らない。いわゆる“潰しが利かない”という事だな。 A:日本には労働市場は無いのではないか、と偉い人が云っているが、今更何を いうのかねぇ。今のいままで、終身雇用、年功序列で永年勤続を称え、忠誠を 期待していた社会に、労働市場など元々無いよ。あるとすれば臨時、アルバイト、 パートそれに派遣などくらいだろう。永年の企業鎖国を日本企業の良さとして置いて、 何が労働力の流動化、労働市場なのかと云いたくなるよ。 B:その通りだ。流れる先は未知の世界、ハイテク、インターネット、システム 構築といった、目に見えないバリアがある。パソコンを扱えるのは50代で 数10%、60代になると3%だと云うよ。とても分かって話しているとは思え ない。難民と勘違いしているのではないか? A:製造業をどうするのだろう。製造業の雇用は日本、28.8%、アメリカは15.5% だそうだ。目がアメリカの情報処理産業に偏っているから仕方が無いのだが、 人の調子が良いから、俺もそっちへ行く式の発想だね。 日本には物づくりという、世界が追いつけない特技があるのにね。 B:新規事業を増やして雇用を吸収しようと云っているね。だが、開業率3.7に 対して廃業率3.8だそうだから、今に無くなってしまう。 A:アメリカのシリコンバレーを見て、日本も出来ない筈が無いということかね。 歴史も、文化も、社会のシステムも、教育も、生まれ育った人間の環境も、 全く違う事を完全に無視している。 やるなら社会の認識や理解、足かせの規制を完全に取り払うように、真剣に やって貰いたいものだ。 B:“前途遼遠”という事だね。